針灸に関する用語の解説

針灸治療に関する用語集

【 顔面神経麻痺① 】

ある日突然、顔半分が動かせない。目を閉じられないので
乾燥して痛む、口も閉じれないのでうまく喋られず、食事も
口からこぼれてしまう。。。
鏡で顔を見ると表情が左右非対称になっている(>_<)

これは顔面神経麻痺を発症した際に、多くの方が体験され
ることです。

顔面神経麻痺には、症状発現の由来が中枢性のものと
末梢性のものがあります。
さらに末梢性にはベル麻痺とラムゼイ・ハント症候群
とがあります。

顔面神経麻痺とは?

顔面神経麻痺は、文字通り顔を動かす表情筋へ信号を
送る神経が何らかの原因から障害を受け、顔の筋肉の
動きが麻痺し(主に片方半分)、動かせなくなる症状を
指します。

発症の原因は、中枢性のものは脳梗塞や脳出血という
ような脳血管障害が原因の多くを占めています。
末梢性のものは、顔面の筋肉の運動や舌の味覚の一部、
涙腺や舌下腺などの活動に関係する顔面神経がウィルス
や外傷などの原因で傷害されることが原因とされています。

 
~中枢性顔面神経麻痺~

顔面神経は左右の脳幹から内耳道、中耳腔を通り
顔面に至る脳神経です。
中枢性顔面神経麻痺は、脳幹から上位が麻痺した
状態を指します。顔面部以外にも片麻痺など四肢の
神経症状を伴い、激しい頭痛や吐き気などの症状も
ある。
しかし、顔の麻痺は下半分(眉毛は動かせるが、
口唇は動かせないもしくはシビレる)だけの部分的な
麻痺にとどまるので、これらの症状の有無から末梢性
との識別を行います。

中枢性顔面神経麻痺の症状

・対側前頭筋にはほぼ障害なし、上方視の際にシワを
 作ることが可能
・目周囲の筋肉の麻痺がないか、極めて軽症
・口周りを中心に両側の筋肉に障害がある
・健側と麻痺側の目の閉眼が可能
・口角から含んだ水や食べ物が溢れる
・顔面麻痺以外の症状もでる

など

~末梢性顔面神経麻痺~

顔面神経は脳幹から内耳道、中耳腔を通って顔面に
至る脳神経で、脳幹より下位の神経が障害されることで
おこります。そして、脳幹より遠位になるほど症状が
軽い傾向にあります。
また、末梢性の顔面神経麻痺は、外傷やウィルス感染が
主な原因ですが、ウィルス性による発症が全体の約80%
を占めています。
そして、単純ヘルペスウィルスが原因のものをベル麻痺
(全体の約65%)、帯状疱疹ウィルスに起因するものを
ラムゼイ・ハント症候群(全体の10~15%)と呼びます。

ラムゼイ・ハント症候群は、重症化することが多く、
めまいや耳鳴り、難聴を伴いやすく耳の周囲に水疱が
できます。

末梢性顔面神経麻痺の症状

・ 麻痺側の前額郡の「シワ」がなくなり、また、「シワ」を

 作ることが出来ない
・閉眼が不十分、または閉じられない
・口笛が上手く吹けない。
・うがいができない
・神経麻痺側の鼻唇溝が平坦となり、口角は垂れ下がる
・神経麻痺側の舌の前2/3の味覚障害がでることがある
・飲食時に口角から食物がこぼれる
・ 耳が痛み、高い音や自分の声が響く

など

現代医学での治療法

根本的な回復を図る特効薬はなく、一般的には
ステロイド剤や星状神経節ブロック注射などを行います。

針灸での治療法

顔面神経麻痺は中国医学では、「口僻」や「口眼歪斜」と
呼びます。原因は、ストレスや過労などにより免疫力が
低下して身体の抵抗力がなくなることによる正気不足。
正気不足になってしまうことで、脈絡が空虚になり、
風邪(ふうじゃ)が虚に乗じて顔面を司る主な脈絡に
侵入して起こると考えられています。

はりきゅうでの治療は、腫れた神経節や虚血・酸欠して
いる局所へのアプローチと局所の不調の原因である
体内のアンバランスを解消する全身治療を行います。

これらは投薬による攻撃的な治療と異なり、
体のホメオスタシス(体の状態を健康的なバランスに
保とうとする力)を回復させることが狙いです。

顔面神経麻痺は、左右非対称な表情が目立つので
精神的なダメージも大きく、外出を控えるなど消極的に
なりがちです。

副作用がなく、からだにやさしい針灸治療で早めの対処を
(薬を飲めない・増やせない妊娠中の方にも対応可能です)